商品情報・ストア αアカデミー αアカデミー for Professional プロフェッショナル動画講座 体験コラムVol.1 -銀座校 参加者による体験レポート-

αアカデミー for Professional

プロフェッショナル動画講座

体験コラムVol.1 -銀座校 参加者による体験レポート-

こんにちは!フォトグラファーの日野拳吾と申します。この度5月22日より銀座校で開講した「αアカデミー for Professional プロフェッショナル動画講座」を受講し、参加して学んだこと、感じたことを体験レポートさせていただくことになりました。

私自身も申込みを行う前は、「どういった講座内容なんだろう?」、「講座販売価格約20万円弱という講座を受講した後、何が得られるんだろう?価格以上に得られるものがあるんだろか?」、「受講後に自分自身の仕事の変化はあるんだろうか?」など、気になることが多々ありましたが、のプロフェッショナル講座の魅力やリアルな感想を、自身の体験を通じて皆様へお伝えできればと思っています。

第一回の体験レポートをお伝えする前に…この講座の受講を考えた背景を少しお話したいと思います。私は普段スチール撮影を主として活動していますが、YouTubeをはじめSNS広告、Instagramストーリーなどで動画を見る機会が増える昨今「これからは動画も撮影できるようにならなければ!」と焦りを感じるようになっていました。特に日々進化するスマートフォンのアプリで簡単に映像・写真も撮れるようになり、誰もがクリエイターとして作品を製作、全世界へ発信できるようになった現代で、プロとして一歩抜きん出るために日夜技術を磨こうと模索していました。

フォトグラファーとしてソニーのデジタル一眼カメラα9を使用している私としては、動画撮影については「なんとなく分かるだろう」、「それなりには撮れそう」「カメラの性能が良いから何とか撮れるだろう」と今振り返ると甘く考えていました。その認識で私自身の結婚式を迎え、「撮れるだろう!」とセルフで自分の結婚式を映像に残そうと決め撮影に臨みますが、結果として大変な目に合いました。「区切り方が分からない」、「手ブレが想像以上に目立つ」、「常にフォーカスに戸惑う」、「撮り直しがきかない環境でどういったカットを撮って良いかが分からない」、「編集が非常に重い」など、撮影から編集まで色々なところで壁にぶち当たり続け、試行錯誤する期間が長く続きました。

そのような中、ソニーが提供するプロフェッショナル動画講座が開講されることを知ります。講師は 「人」を撮ることを専門に、ウエディングを始めとした映像製作はもちろん、雑誌やWebマガジンでの執筆を行う傍、企業・写真館・個人クリエイターへの動画セミナーなどを通じ日本の動画制作の底上げにも力を入れている映像作家の鈴木佑介さん。ウエディング映像含め映像制作の第一線で活躍し続けている方が講師の講座を少人数制+全5回1日6時間の濃密スケジュールで学ぶことができるとあり、こんな機会はそうないと思い、高額ではあったものの…飛びつくに至りました。

今回の講座は、原点回帰し基本からきちんと学ぶということ、動画で食べれるようになるための講座であること、を重要視しています。なんとなくでは到底仕上げる事のできない映像作品の奥深さを痛感した私にとって、これ以上ない講座だと思いました。

【講座概要】

第1回: 映像の概念と『テイク』する動画の基本
〜αの操作を覚えながら〜
第2回: 映像の編集を覚える
〜DaVinci ResolveとLog撮影について〜
第3回: 『テイク』する映像を演出する
〜特機を使ったクリエイティブ・ドキュメンタリー〜
第4回: αでの音声収録と編集の仕方
〜インタビュー撮影方法とマルチカム編集〜
第5回: イメージを『メイク』する撮影と編集に
〜ビジュアルで語る映像とは〜

ソニー製品だけでなく、動画のワークフロー軸でカメラ、レンズに加え、3軸カメラスタビライザー、ビデオ用三脚・一脚、スライダー、モニター一体型レコーダー、編集ソフトウェア、PCMレコーダー、マイクなどさまざまなメーカー様の協力もあるとのことで、機材含めてしっかり映像制作を学ぶことができるプロフェッショナル動画講座。

プロフェッショナル動画講座 第1回目の講座テーマは 【映像の概念と「How to Take」】。11時から18時まで開催されるスケジュールで、大枠としては休憩を挟みながら、前半に座学で「これからの映像制作に求められること」「要望に応えうる映像を制作するための技術」を撮影の基礎の基礎から学び、後半に座学で学んだことをワークショップ形式で実践し身に付けていく流れとなります。

「現代で求められる映像とは何か」と、時代の潮流や鈴木さん自身が体感してきた映像制作の世界における変化の紹介から始まり、動画撮影におけるISOや絞り、シャッタースピードの設定から記録方式の選び方、撮影テクニックの具体的な事例などを動画を交えながら撮影方法の基礎説明、そして鈴木流の撮影テクニックについても惜しみなく鈴木さんがこれまで撮影してきた映像作品とともに徹底的に解説。

冒頭から次々と紹介される鈴木さんが実際に撮影した作品は映像を通して伝えたいテーマや映像の中で生きるテクニックがはっきりと伝わってくるものでした。

今の映像に求められている「表現力」。カメラを向けていればとりあえずは撮れてしまう環境、機材を誰しもが手に取れるようになった今、仕事≠作品とはいえ、なぜその映像をあなたが作るのか?なぜその主題なのか?なぜその色なのか?と映像の全ての要素には創作理念が必要であり、なんとなくで作られる映像では戦えなくなる、と鈴木さんは言いました。

その肝となるキーワードが、目の前のありのままを記録する「テイク」。ただ「写す」のではなく、まずは撮り直しのできない状況をきちんと把握し、しっかりと意図を持って映像として残していく、その環境下で「撮る」技術を身につけることが映像制作を極めるための最短距離となる。そういって講座の中で見せてもらった鈴木さんの指導を半年受けた21歳のビデオグラファーの方が実際に撮った映像はとても臨場感がありその場の雰囲気をしっかりと伝えてくる作品となっていました。

その映像を見たときに素直に思ったことは、「このままではいけない」、「21歳の方が半年でここまで撮れるようになる世界で生き残るためには、自身この講座を通じてしっかり技術を身につけなれければならない」と改めて気持ちを引き締めました。

その「写す」と「撮る」の違いはどこから生まれてくるのか?と疑問が浮かぶところで前半が終了。このような撮影を行うためには何が重要なのか…?

休憩を挟み、後半がスタート。後半はワークショップ形式での実践編。機材はα7III(またはα7RIII)とFE 24-105mm F4 G OSSを使用。

まず実践編に入る前に「撮る」ためのカメラの操作方法をしっかり学びます。αボディのボタン配置を覚えると共に、カスタムキーやファンクションメニューの使いこなし術を教わり、「撮る」ことに集中するためのカメラの操作方法を鈴木流動画撮影用カスタム例をベースに、まずカメラに慣れていきます。

私を含め参加者の方々はすぐに自分でも試してみたくなったのか、講座内で貸与されたα7シリーズを触りながらイメージを膨らませている様子が印象的でした。

カメラに慣れた後、簡易ワークショップが始まります。鈴木さんが講座会場で実際に「テイク」での撮影の基本をデモンストレーション。「テイク」の撮影は手持ちからを基本として、まずは自分が撮りたいものを撮れる位置に撮りにいくこと、立てることが肝心とのこと。

また基本は「ヒキ→ヨリ」の繰り返しを「5W1H」の要素を意識し、1発勝負の現場でも撮り切れるためのテクニックを惜しげも無く伝授してもらいました。

そして実践開始。まずは「講座の紹介動画を撮る」というテーマに事前に教わった事を参考にしながら撮影を行います。講座の様子を伝えるには?誰が講師なのか?参加者はどんな反応か?参加者から講師はどう見えているのか?などなど、映像を見た人がその場を理解できるように撮影していく、という内容。次に、「スタジオでフォトグラファーが人物撮影をしている」と想定したシーンで「かっこいい映像」を撮る、というテーマで撮影を行います。人物撮影を行うフォトグラファー、ということでモデルもフォトグラファーも動きがある中での撮影…常に変化する現状を把握しながらカメラに動きをつけながら撮らなければならないが、ただ撮ることに精一杯でした。

それぞれが撮影を行い、撮影が終わったらすぐに画面で映し出しながら一人一人に対して指導が入る。最初は戸惑いつつも、納得できる内容で指導が入り、恐れずに批評を受けることで自分の伸ばすべきポイントや自分に足りないポイントがはっきりと見えてきました。自分自身の足りない点はもちろん、他の参加者の方が受けた指導もその場にいる皆がすぐに、その場で実践していくことで、みるみるうちに撮る映像が変わっていきます。私自身も、第1回の数時間でここまで変わるのか、と驚きを隠せないのと共に、自身の変化を身体で、目で感じることができ、ワクワクしていました。また最終的には「耳で撮る」という鈴木さんの言葉は、このワークショップを受けて、すごく身に染みるものでした。会場の様子に鈴木さんの指導もさらに熱を帯びて気がつくと参加者が全員立ち上がり、とても積極的で熱いワークショップが進んでいきました。

気がつけば第1回目の講座もあっという間に終了。息もつかさぬ6時間でした。

繰り返しとなってしまいますが、私自身もワークショップを通じ撮影しましたが、後に改めて撮影した素材を見返すと、この半日でここまで見違えるのかと素直に驚きました。

これまで撮影していた動画ではただカメラを向けてその場で起きることを写していたものでしたがズームや自分自身が撮れる位置に立つことを生かしたヒキ→ヨリから生まれるメリハリ、被写体の捉え方、タイミングの読み方やRECの切り方、パンニングによって生まれる印象や繋ぎ方などのテクニックと撮影における5W1Hの構成によって大きく印象が変化しました。それっぽく丈長に撮影していた「なんとなくの映像」が、短時間の映像でもこんなに情景を伝えることができるようになるのかと身をもって感じることができた第1回目の講座でした。一つ一つの動作や考え方は決して難しいことではなく、正に基礎となるものだと思うのですが、ここまで基礎をしっかり学ぶことができる場は見当がつかず、他にはない魅力だと感じました。

撮影技術についてはインターネットや書籍でも学ぶ環境は沢山ありますが、やはり実際に最前線で活躍されている方を直接見て、作品・作例に触れ、直にアドバイスを受けられることの衝撃と分かりやすさは半端ではありません。第1回目講座終了後、帰宅してから鈴木さんの映像をひたすら繰り返して見てしまうほど、第2回が楽しみになる1日となりました。

第2回のテーマは『映像編集を覚える 〜DaVinci ResolveとLog撮影について〜』となります。今回学んだ「テイク」映像素材が編集によってどう姿を変えていくのか、第1回目と異なり、編集に特化した講座がどのように展開していくのか、期待に胸を膨らませつつ第2回も体験レポートをさせていただきたいと思います。