こころ
夏目 漱石(著)
青空文庫
2011/01/21 Reader™ Store発売
人間が捨てることのできないエゴイズムと大正時代の新しい価値観への移行を描いた漱石作品中、最も知られた一冊。
「6分間の読書はストレス解消になる」とイギリスのサセックス大学が調査結果を発表。
しかし、読書には時間や環境が必要な場合も。そこで、忙しい人のために「聞く本」、オーディオブックを利用する人が増えています。
効率よく内容を頭にインプットするには、声に出して読む「音読」も有効。
今回は、オーディオブックが実現する「聞く」「話す」読書をご紹介します。
2013年もはやくも1カ月過ぎました。疲れが少したまっている人もいるのでは? そんなときは、読書がおすすめです。イギリスのサセックス大学の調査結果では、たった6分間の読書によってストレスが68パーセントまで軽減されるということが分かりました。これは、音楽鑑賞(61パーセント)や散歩(42パーセント)よりもストレス軽減効果が高い結果となりました。
読書をおこなった被験者はわずか6分で心拍数が遅くなり、緊張した筋肉の緩和がはじまったとか。本の中に集中することは、究極のリラクゼーションであることがわかったのです。
読書好きの方なら、納得の内容ですよね。本の世界に入り込むことで、気持ちを切り替える方も多いはず。一方で読書は少し苦手……という人も、息抜きととらえて本と向き合ってみるのもいいかもしれません。
出典:Reading 'can help reduce stress’ (The Telegraph,30/Mar/2009)
それでも読書をする時間がない! という方には、「オーディオブック」がおすすめ。
これは、簡単にいってしまえば「聞く本」です。楽曲データと同じように、音声データとして、本を再生するというものです。
「オーディオブック」の魅力は大きく2つあります。1つは「ながら聞き」ができること。たとえば、ジョギングをしながら本を読むのは難しいですよね? でも、オーディオブックなら音楽プレーヤーで再生ができるので、ジョギングをしながら聞く(読む)ことができます。通勤ラッシュで本を読む余裕がない! という場合でも、聞く読書ができるのです。
英会話など語学学習で「聞く」ということがどれほど大切かは、ほとんどの人が知るところでしょう。先ほどの「ながら」に通じるものがありますが、聞く時間は結構あるものです。
本は一般的に映画などの映像作品とは異なり、自らページをめくるということで能動的とされていました。オーディオブックは、悩んで自分の手がとまるということがなく、時間がたてば読み終わります。一定数の情報が自分の中にとりこめるメリットは、学習面などでは有用です。
また、My Sony Club会員の中には、“ポッドキャスト”を使って「聞く読書」を楽しんでいる方も多いようです。語学学習だけでなく、耳で聞くことで本を読むのとは違った感覚で物語を楽しんだり、ニュースを聞いたり、使いかたはさまざまのようです。
「聞く」ことのメリットの次は、いよいよ「話す」ことです。実は、この「話す」ことこそ、本を読むうえで最高の「読みかた」と言えるのです。
トロイアの遺跡を発掘したドイツのハインリヒ・シュリーマンは、わずか6カ月でフランス語をマスターしたそうです。彼の自伝「古代への情熱」を読むと、具体的な語学学習法が書かれています。それを整理すると、以下の7つに絞られます。
エピソードとして面白いのは、英語のよい発音をはやく身につけるために、日曜ごとにイギリス教会の礼拝に2回ずつ行き、牧師の説教を聞きながら、一語一語を小さな声で真似たという話。彼はこうした学習法で、なんと英語とフランス語を6カ月で習得、オランダ語、スペイン語、イタリア語、ポルトガル語は6週間でどれも自由に話したり読み書きできるようになっています。
中国の古典に「読書百遍(どくしょひゃっぺん)意(い)自(おの)ずから通ず」という言葉があります。わからない本も百回繰り返して熟読すればわかるようになるという言葉です。前述のシュリーマンの例は、まさにこの実践例といえるでしょう。
音読(朗読)は、目だけを使う黙読に対して、声を出して読み、それを自分の耳で聞くため、学習効果が高いといわれています。言語中枢は左脳にありますが、目で読んで理解する場所と、言葉を話すために使う場所、そして言葉を聞いて理解する場所はそれぞれ別々になっており、音読によってこの3つを同時に使うことになり活性化されると言われています。
My Sony Club会員の声でも、音読をされている方はいるようです。
音読・朗読は、学習に有利なだけではありません。声に出して読んで楽しむということもあります。My Sony Club会員の中には「子どもに読み聞かせ」をしたり、「古文や漢詩などの古典を楽しむ」といった声も。実は音読・朗読は身近なものなのです。
とはいえ、ひとことに音読・朗読といってもどこから始めてよいかわからない方に、ここでは実際にポイントを押さえてやってみましょう。
ポイントは次の3つです。
今回の例にはありませんでしたが、会話文とほかの文を区別して読むのもコツです。
また朗読会などのイベントに参加し、慣れた人の朗読を聞くのも参考になります。
英語の勉強のために、米国大統領のスピーチを真似てみるなどに近いかもしれませんね。
NPO法人「日本朗読文化協会」 では、朗読のボランティアやイベント、教室などの案内が掲載されています。都内を中心に、個別の朗読会イベントも開催されるようになっています。まだ音読・朗読未経験の方は、まずは声に出して本を読んでみては? ここでは、おすすめの本を3冊ご紹介します
こころ
夏目 漱石(著)
青空文庫
2011/01/21 Reader™ Store発売
人間が捨てることのできないエゴイズムと大正時代の新しい価値観への移行を描いた漱石作品中、最も知られた一冊。
銀河鉄道の夜
宮沢 賢治(著)
青空文庫
2011/01/21 Reader™ Store発売
少年ジョバンニが体験するいろいろな乗客との出会い、別れ。日本人の誰しもが持っている心の原型を結晶させたような、すがすがしい物語。
散文詩・詩的散文
萩原 朔太郎(著)
青空文庫
2011/01/21 Reader™ Store発売
“詩は、光である、リズムである、感傷である。生命そのものである。”現代語を使った口語自由詩の先駆者、萩原朔太郎のいろいろな小詩を集めた1冊。