手袋を買いに
新美 南吉(著)
青空文庫
2011/01/21
Reader™ Store発売
無料
声に出して本を読む「朗読」は、誰もが経験ある読書方法。
国語の授業や小さな子どもへの読み聞かせなど、実は身近なものです。
今回はプロのナレーターの方に朗読をしてもらい、改めて魅力を皆さんに実感していただきたいと思います。
【講師:倉島 麻帆(くらしま まほ)さん】
フリーアナウンサー、講演スピーチコンサルタント
株式会社スマイルボイス 代表取締役
大和証券勤務・舞台女優を経てフリーアナウンサーに。心理学や脳科学を活用し、豊かな感情を表現し心でしゃべる(志を語る)大切さを伝えるセミナーは、毎回満員御礼。のべ10,000人以上にセミナー・研修を行っている。現在、NHKラジオ高校講座『現代文』等に出演中。
今回の講師・倉島麻帆さんと編集部の女性スタッフが、実際に朗読をしてみました。朗読をしたのは「手袋を買いに」。「ごんぎつね」の作者による物語です。実際に音声を再生してもらうと、その差は歴然ということがわかります。
編集Yの朗読
倉島さんの朗読
倉島麻帆さんには、さらに電子書籍リーダーの「Reader」で朗読をしていただきました。文字で書かれた文章を表現することのお手本を聴いてみましょう。
今回、倉島さんが朗読で読み上げたのは本ではなく、電子書籍リーダーでした。「これなら、本棚がなくても読みたい本を選ぶことができますね」と、倉島さんも電子書籍に興味深々の様子。今回ご紹介した電子書籍は、読書専用機の電子書籍リーダーだけでなく、スマートフォンでも読むことができます。
小学校の国語の授業を思い出してください。同じ物語でも、読む人が変わると印象の違いを感じませんでしたか? それは、声やスピードなどに個性があらわれるからです。
「声に出して本を読むことは、自分を解放することができ、ストレス発散にもなります」
と、話す倉島さん。
「朗読は、誰もが簡単にできる自己表現の手段です。そして、その表現に正解はありません。だからこそ自分なりの表現を見つけることができます。表現をしている人は、みんな元気で自信を持っていますが、朗読にもその力が宿っているんですね」(倉島さん)
自分ひとりの想像の世界(黙読)から、表現とコミュニケーションの世界(朗読)へ。
朗読は、思わぬ扉をあける鍵(キー)となる読書方法なのかもしれません。
まずは、自分ひとりではじめてみましょう。朗読の基本的なポイントはこの4つ。
これは、小学校の国語の授業でいわれる音読教育の指標です。 ひとりで読み、自分の耳で聞くことも立派な自己表現。そのときには、ICレコーダーやスマートフォンの音声録音機能を使って録音して再生すると便利。慣れてきたら、自分以外の誰かに向って表現してみたくなるはず。
「誰かに自分の朗読を聞いてほしい!」と思い始めたら、みんなで本を朗読する朗読会などへの参加がおすすめ。
「感情移入の表現にルールはありません。自分の感じるまま、自由にできるものです。
だからこそ、ほかのひとの朗読を見てみる、聞いてみることは大切。朗読会は、とってもおすすめです。
ほかの人の読むスピード、声の出し方などを体験することは、朗読の上達につながるんですね」(倉島さん)
誰かに自分の朗読を聞いてもらう前に、自分の声を聞いてみよう。
「まずは、自分の声を聞くことからスタート」と話す倉島さん。ICレコーダーで自分の朗読している声を収録し、あとで聞いてみるとたくさんの発見があるとか。