My Sony Club会員の写真の”困った”を楽しく解決!

My Sony Club会員の皆様に「写真の“困った”」はありませんか?とおたずねしたところ、たくさんの声が寄せられました。今回は、国内外で積極的に作品を発表し『伊勢神宮-現代に生きる神話』、『iPhoneキレイ撮りカメラ入門』などの著書を持つ写真家・宮澤 正明さんが、代表的なお悩みに焦点を当てて解決策をお教えいたします。 監修:宮澤 正明(みやざわ まさあき)

「ブレ」の“困った”を解決「ブレ」の“困った”を解決

写真を撮るときのお悩みとして必ず上位にランクインする「ブレ」。
暗い場所や動いているものを撮るときなど、どうしたらブレずに写真が撮れるのか、宮澤さんがシチュエーションごとに解決法をアドバイスします!

薄暗くなる夕方や夜間などに動いている被写体をきれいに撮影する方法はありますか?
(デジタル一眼カメラ|大阪府 | 男性 | 40代)

ブレに困った写真1

構図をガッチリ決めて解決!

まず、ISO感度1600くらいまであげること。それから、シャッター速度もできるだけ速くしておきましょう。ファインダーで電車を追うのも手ブレの原因になりますので、あらかじめ構図を決めてカメラを固定し、マニュアルで目印にピントを合わせておく方法がおすすめです。その位置でターゲットが来る直前から連写を。

また、夕方の景色は無理に明るく撮らず、夕焼けを生かして印象的に仕上げるのもひとつの方法です。ホワイトバランスを調整して周りに青みを出せば、空の表情もキレイに出るし、電車のライトも映えますよ。

宮澤さんなら「こう撮る!」

ブレに困った写真2
※この写真はイメージです。宮澤さんが撮影したものではありません。

暗さを生かして撮影するのも作戦

夕方の写真を撮るなら、左のイメージ写真のようにあえて暗く見せるのも効果的です。画面全体のトーンを落としてシルエット的に見せることで、ヘッドライトの輝きが印象的な一枚に仕上がると思います。

また、電車の写真は、車両の見えかたと背景のバランスが重要です。車両のカーブがキレイに見えること、空や左右の背景を整理することを意識すれば、より美しい写真になりますよ。

羽ばたく鳥などの動きの速いものを撮ると、どうしてもブレてしまいます。
上手に撮る方法を教えてください。
(コンパクトデジタルカメラ|石川県 | 男性 | 50代)

ブレに困った写真3

ストロボで解決!

昼でも強制的にストロボをたくといいんですよ。そうすると、被写体がハッキリとブレずに写りますから。シャッター速度は1/180くらいのストロボが使えるなるべく高速値に設定してください。

また、写真のようなシーンでは、鳥を追いかけてシャッターを切るのではなく、撮りたい場所にエサを投げて、鳥が来た瞬間にシャッターを切るといいでしょう。

宮澤さんなら「こう撮る!」

ブレに困った写真4
※この写真はイメージです。宮澤さんが撮影したものではありません。

昼間のストロボを積極的に

「ストロボを使う」というと、どうしても夜や室内の撮影をイメージしてしまいますよね。でも、プロの写真家たちは昼間でもストロボを有効に使って撮影しています。シャッタースピードが足りないときや逆光の時には、積極的にストロボを強制発光させてみてください。デジタルカメラならすぐに結果を確認できるので、ON/OFFを切り替えて効果を確認しながら撮影してみましょう。
デジタル一眼カメラユーザーの方なら、外付けの大光量フラッシュがあると撮影の幅がグンと広がると思いますよ。

My Sony Club会員から寄せられた「ブレ」の“困った”My Sony Club会員から寄せられた「ブレ」の“困った”

  • ハムスターなど小動物の動きに追いつけません。
    (スマートフォン | 大阪府 | 男性 | 30代)
  • 撮りたい場所を先に決めて解決!なるべく明るいところを選んで撮影することですね。できれば昼間の窓際などがベストです。夜間でも明るいライトの下などで撮影してください。
    また、動きについて行こうとするのではなく、先に撮りたい場所を決めておいて、そこへ来た瞬間にシャッターボタンを押すのがポイントです。構えやすく、かわいい表情が撮れる俯瞰(ふかん)から狙うのがおすすめですよ。
  • 長押し状態からゆっくり指を離すなど、いろいろ工夫をするのですが、どうしても手ブレをしてしまいます。
    (スマートフォン | 東京都 | 男性 )
  • スマートフォン用の三脚を使って解決!スマートフォンの場合はシャッターボタンを押してからのタイムラグもあるため、やむなくブレてしまうことが多いですね。シャッターを押して1秒くらいは静止するつもりで撮ってみてください。
    市販のスマートフォン専用三脚を使ってカメラを固定するのも、有効な手段ですね。連写ができるアプリで何枚も撮って、ブレがないものを使う方法も試してみてはいかがでしょうか?
  • 体育祭のランナーを追いかけながらの流し撮りをすると、ピントがブレてうまく撮れないです。
    (コンパクトデジタルカメラ | 埼玉県 | 男性 | 50代)
  • 半押しで被写体を追って解決!コンパクトカメラでオートフォーカスしかない場合は、なかなか難しいですね。先にコース上の目印にピントを合わせて、半押しのまま被写体を追ってみてください。
    そのとき、三脚があるととても便利です。カメラを左右に振れるようにしておいて、同じ速度で振りながら撮ると成功しやすいと思います。ズームしすぎるのも失敗の原因になりますので、多少広角気味で狙ってみてください。

「イメージと合わない」の“困った”を解決「イメージと合わない」の“困った”を解決

もっと鮮やかな色だったのに、もっと迫力があったはずなのに…と、写真をパソコンで見たり、プリントアウトをしたりしたときに残念な気持ちになるのが「色」や「構図」。
より撮りたかったイメージに近い写真に仕上げるにはどうしたらいいの? というお悩みを解決します!

これという構図がなかなか決まりません。
(一眼デジタルカメラ| 兵庫県 | 男性 | 50代)

構図に困った写真1

画面内の情報を整理して解決!

デジタルカメラなら撮った写真をその場でチェックできますから、画面内に不要なものがないか、被写体の魅力を引きだせているかをじっくり検討しましょう。そこから画面内に入れる情報を整理してください。頭の中だけで考えるのではなく、実際に撮って確認することが重要です。

1枚だけ撮って完璧ということはまずないでしょうね。寄り、引き、俯瞰、メインにする花の配置など自分で楽しみながらいろんなパターンを試して、見比べてみてください。こればかりは自分で納得する 構図を探っていくしかないですね。

撮りたいものをあえて真ん中に入れずに端にしてみるとか、色を変えてみるなど、同じ写真でもトリミングの仕方やアプリの加工で随分印象が変わりますよ。

宮澤さんなら「こう撮る!」

モチーフを見つけたら、さまざまな角度から撮影をしてみましょう。たとえばお皿の料理を撮るだけでも、皿全体、真上から、料理のアップなど、いろいろなバリエーションが考えられますよね。ほかにも、カメラを横位置にしたり、真横から撮ったり、店内の様子やほかの料理とセットにしたりなど、発想次第でいくらでも構図が見つかると思いますよ。

皿全体を撮影した写真
皿全体を撮影した写真

真上から撮影した写真
真上から撮影した写真

料理をアップで撮影した写真
料理をアップで撮影した写真

夕焼けなどの景色や、夕日を撮ろうとしても、目で見ている風景と全く違う印象になることが多いです。
(フィーチャーフォン | 大阪府 | 女性 | 10代)

色に困った写真1

写真アプリで解決!

携帯やスマートフォンの標準カメラアプリでは、なかなか思いどおりの色で撮れないことが多いですよね。このようなシーンでは写真加工アプリを活用してみましょう。すごくドラマティックな夕焼けだと思ったら、よりそのイメージに近い表現ができるまで色調変換や加工をトライしてください。

スマートフォンだけでなくフィーチャーフォンのアプリでも、画像加工ができるものが各社から配信されています。魚眼レンズを使ったり、ボカシ加工を入れたりすれば、現実よりもっと幻想的な世界が見えてきますよ。

秋らしい真っ赤な紅葉を撮ったつもりでしたが、家のパソコンで見ると思ったほど赤が鮮やかに出ません。
(デジタル一眼カメラ|神奈川県)

色を補正して解決!

夕焼けや紅葉の色などは、カメラではきれいに見えていたのに自宅のパソコンで見ると雰囲気が違って見えることが多いですよね。カメラの画面とパソコンの画面ではどうしても見えかたが違ってしまうので、これはどうしようもないところではあります。

鮮やかさや色が物足りないと感じたら、自分のイメージと同じ色味になるまでパソコンで調整するのもひとつの方法ですよ。下の写真も色味を補正した一例です。

せっかくパソコンがあるのに、写真を見るだけではちょっともったいないですね。色補正などができるツールをどんどん活用してみましょう。自分で思いどおりの色が出せるようになったら、写真がもっと楽しくなりますよ。

色補正、加工前の写真
色補正、加工前の写真

矢印

色補正、加工後の写真
色補正、加工後の写真
黒い枠をつけると紅葉がさらに印象的に

My Sony Club会員から寄せられた「イメージと合わない」の“困った”My Sony Club会員から寄せられた「イメージと合わない」の“困った”

  • カメラの液晶とパソコン画面で明るさが違う。また、お店でプリントしても明るさが変わってしまう。
    (デジタル一眼カメラ | 山形県 | 男性 | 40代)
  • 色の調整にチャレンジして解決! それぞれの色が合っていないんですね。キャリブレーションと言って、モニターやプリンターの色を調整する方法がありますので、本格的に取り組むならそういった設定にチャレンジしてみてください。
    専門店でのプリントにこだわりたいなら、自宅のプリンターで理想の色を作ってから、「この色でプリントしたい」とお店に依頼してもいいでしょう。
    せっかくパソコンがあるのですから、ご自分の好きな仕上がりになるようぜひ試してみてください。
  • 十五夜に満月の写真を撮ったのですが、これといって面白味のないものしか撮れません。いいアイデアを教えてほしいです。
    (コンパクトデジタルカメラ | 兵庫県 | 男性 | 50代)
  • 臨場感の演出で解決! 「十五夜」という設定があるなら、どこかに和を感じさせる写真がいいですよね。たとえばすすきやお寺の屋根がシルエットで入っているとか。月と水に映っている影を撮るのも雰囲気があっていいと思いますよ。
    テーマに合わせて、どこかに臨場感を演出するのがポイントです。
  • アンニュイな感じで少しボケかかった写真を撮るにはどうしたらよいですか?
    (コンパクトデジタルカメラ | 大阪府 | 女性 | 20代)
  • レンズに息を吹きかけて解決!手っ取り早いのは、レンズに息を吹きかける方法。少しずつ曇りが引いていくので、好きなタイミングでシャッターを切るといいでしょう。また、鼻の脂をちょっとつけるのもいいんですよ。
    女性なら、破れたストッキングを取っておいてテープで貼りつけて撮る方法もありますね。伸ばしかたでソフトフォーカスの具合が変わって好みの表情が出せますよ。

「機材」の“困った”を解決「機材」の“困った”を解決

普段使っているスマートフォンやカメラで、もっと撮りたい写真があるのに…とお悩みの方がたくさんいらっしゃるようです。
アプリや追加のレンズ、撮りかたでの解決法をお教えします!

お花をマクロで撮りたいのですが、どんなレンズを購入したらいいでしょうか。(一眼デジタルカメラ | 大阪府 | 女性 | 70歳以上)

機材に困った写真1

どんな写真を撮りたいか考えてみよう

マクロレンズと一言で言っても、さまざまな焦点距離のレンズが発売されています。背景のボケ具合や撮影距離が変わってきますので、どんな写真を撮りたいかを考えて選んでみましょう。

花だけをアップで撮りたいのなら、50mm程度(35mm判換算)の単焦点レンズがおすすめです。被写体に近づいて撮れるので、狭い場所でも取り回しがいいのがポイントですね。もし、お写真のようにミツバチもキレイに撮りたいなら、逃げられないように遠くから狙う必要がありそうです。その場合は150mm〜200mm程度(35mm判換算)のレンズが使いやすいでしょう。

撮影スタイルにあうマクロレンズが見つからない場合は、市販の接写リングや比較的安価なクローズアップレンズを使って、今あるレンズを生かすのもひとつの方法ですね。

宮澤さんなら「こう撮る!」

何本もあるマクロレンズの中から、撮影スタイルに合った好みのレンズを見つけるのは時間がかかると思います。使いたいレンズが見つかるまでは、マクロ撮影が得意なコンパクトデジタルカメラで気軽に楽しむのもひとつの方法です。また、写真の利用方法によっては、普通のレンズで撮って花だけを大胆にトリミングしてしまうのもアリかもしれません。いろいろな方法で、花の魅力を引きだしてみてくださいね。

コンパクトデジタルカメラで撮影した写真
コンパクトデジタルカメラで撮影した写真

トリミングして花を主題にした写真
トリミングして花を主題にした写真

人物にピントを合わせたつもりが、手前の花にピントが合っていて、撮影時には気づかなかった。(コンパクトデジタルカメラ | 大阪府 | 女性 | 40代)

機材に困った写真1

ピント合わせを工夫して解決!

人物がメインで花はあしらいだと考えると、もっと子どもたちにズームして撮るか、寄って撮るのがよさそうです。ピントはマニュアルモードで合わせるか、顔が見えるようにして、オートマティックモードで半押しして合わせるかのどちらかで。

この場所でのポイントは斜め上から撮ること。もう少し寄って、子どもたちの顔がしっかり見えると、ピントも合わせやすくなりますね。同時に、自然と手前側の花がボケて素敵な写真に仕上がると思いますよ。

表現方法を追求しよう
表現方法を追求しよう

My Sony Club会員の皆様の写真の”困った”はいかがでしたでしょうか。
ブレる、色が合わない、構図が思いどおりにいかない…どのお悩みも写真好きなら一度は通る道。教本に載るような正攻法での解決策もありますが、それだけが正解ではありません。“困った”をただ悩むのでなく楽しみながら解決できると、もっとフォトライフを楽しめますよ!

「“困った”」も楽しみながら解決しよう

たとえば、今回質問の多かった「ブレ」ですが、どうしてもブレた写真は失敗写真と思ってしまいますよね? でも、僕はそうは思いません。ブレも表現方法のひとつとして考えれば、生かす方法もあると思います。暗くてブレた写真しか撮れないなら、それを自分だけの表現に使ってみましょう!

ほかには、色や構図のお悩みも多くいただきました。みなさん、カメラで撮ったものだけで判断している方が多いようですが、これはもったいない! 写真を楽しむのに「加工してはいけない」なんてルールはありません。デジタルなら本当に簡単に色補正や特殊効果の追加、トリミングなどが可能です。もっと積極的にツールを使って、写真で遊んでみてください。自分で思いどおりの色や構図が出せるようになったら、写真がもっと楽しくなりますよ。

「“困った”」も楽しみながら解決しよう
手ブレしてしまう暗い場所で、あえてブレさせて撮影した写真。ライトアップされた建造物を撮影したものですが、画面の暗さとブレが怪しげな魅力を醸(かも)しだしています。

下の4枚は飛行機の窓から撮った富士山です。スマートフォンのアプリを駆使して遊んでいます。
富士山だけを大きく見せたかったらトリミングを、色が物足りなければフィルターや補正を。色にルールや正解なんてありません。
自分が気に入った絵が出せたら、それが「いい写真」ですよ!

トリミング、色調整前の写真
トリミング、色調整前の写真

アプリでトリミングをして、モノクロに色調整した写真
アプリでトリミングをして、モノクロに色調整した写真

緑を強めに色調整した写真
緑を強めに色調整した写真

赤を強めに色調整した写真
赤を強めに色調整した写真

写真で“自分だけ”の表現方法を追求しよう心が動いた“瞬間”をカメラにおさめよう

たくさんの質問をいただいたので、残念ながらすべてには答えらませんでしたが、ポイントは押さえてお答えしたつもりです。
いただいた質問から感じた印象なのですが、みなさん、ちょっと写真のことを難しく考えすぎかもしれませんね。
たとえば、手ブレ=NGと決めつけてしまったら遊びの幅が狭まってしまいます。むしろブレが効果的に雰囲気の演出につながることもありますし、もっと写真を “感覚的に”楽しんでみてくださいね。 「いい写真を撮らなきゃ」と気負わずに、まずはちょっと肩の力を抜いてみましょう。最低限の技術さえあればいいんですよ。今はオートマティックでもすごくキレイに撮れますし、マニュアルの操作にしても、ポイントだけ覚えてしまえばそう難しくありません。
キレイなものを見たときに、それぞれが感じる「キレイ」のポイントは違うと思うんです。それを写真をとおして“あなただけ”の表現にしてほしいと思っています。
アングルだったり、構図だったり、色だったり、加工だったり、いろんな表現の方法がありますが、こうじゃなきゃいけないという決まりはありません。「上手に撮る、キレイに撮る」を目標とするのではなく、イマジネーションを膨らませて、どんどんオリジナルを追求してみてください。きっと、もっと写真を撮るのが楽しくなりますよ。

監修者プロフィール

フォトグラファー 島田 敏次 さん
写真家 宮澤 正明(みやざわ まさあき) さん

1960年東京生まれ。日本大学芸術学部を首席で卒業。処女作『夢十夜』でアメリカ写真界のアカデミー賞と称されるICP第1回新人賞を受賞。女優、ミュージシャンなどの写真集から広告、雑誌、さらにはインターネットまで幅広いメディアで活躍中。著書に『iPhoneキレイ撮りカメラ入門』『RED DRAGON』(ともに小学館)、『伊勢神宮〈現代に生きる神話〉』(講談社)など。 公式サイト http://www.mmmp.net/外部リンク

記事内容は2012年12月20日現在の情報です。
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