
小物を使ってありえない世界を演出するトリックはいかがですか?
実は、このサメは30cm程度のおもちゃなんです。でも、まるで本物のように大きく見えますよね。
こんな不思議な写真を簡単に撮る方法をご紹介します。
このトリックは、小物に合わせてストーリーを考えるところが大事ですね。単に小物と一緒に撮るだけではなく、動きがあったほうが何倍もおもしろい写真になりますよ。イメージに合わせて、しっかり演技をしてもらいましょう。
作例では3人で撮影していますが、自分撮りができるカメラなら、セルフタイマーやリモコンを使って1人でも撮ることできますよ。
この手法を使えば、お気に入りのぬいぐるみと同じメルヘンな世界に入ったり、怪獣と対決したりとサイズを無視した意外な組み合わせで撮影ができます。自分のお気に入りのモチーフと一緒にフレームに収まってみよう。
小物はかなりレンズに近い位置に。小物と人の関係性をハッキリさせながら撮ると、より雰囲気のある楽しい写真ができあがりますよ。
人物に動いてもらうのではなく、写る人のポーズに合わせてカメラと小物を動かしたほうが簡単です。演技に合わせて、小物の角度を工夫してみましょう。
えっ! どうやって巨人になったの?
一瞬目を疑ってしまうこの写真は、遠近の錯覚を利用したトリックフォトの定番スタイル。
やりかたさえわかれば誰にでもできて、アイデア次第でおもしろくなるトリックフォトです。
遠近感を利用したトリックのポイントはカメラマンができるだけ巨人役の人に近寄って、大きく見せることです。カメラはできるだけズームは使わずにワイド(広角)側で撮ってください。遠近感が強調され、全体にピントがあった写真になれば、より不思議感がアップしますよ。
また、トリックフォトは演技力も大切です。巨人役の人は余裕のある表情で、捕まる役は「助けて〜」と大げさにリアクションしてみましょう。コンセプトを決めたら、その設定になりきって楽しむのが大事なポイントです。
タワーなどの大きな建物を手のひらに乗せたり、つかんだりするトリックもこの方法を使います。
基本的に背景はシンプルなほうがいいですね。持ちあげているようなイメージを出すために、段差があるところで撮影しました。遠近感を利用したトリックなので、二人はかなり離れて立っています。
巨人役の人の腕がカメラと平行になるようにしましょう。特にワイド(広角)側で撮影した時には遠近感が強調されてしまうので腕の位置が奥にあると手が小さく見えてしまいます。
「地面は下」「カメラはまっすぐ」という思い込みを利用したトリックフォトがこちら。
種明かしをすれば、床に寝ているだけなのですが、パッと見たときのインパクトは絶大です。
気軽に遊べるトリックなので、ぜひチャレンジしてください。
天地逆転のトリック写真は、カメラや写真を回転させていつもと違う角度にすることから生まれます。平らな地面もカメラを斜めにすれば急坂に、90度回転させれば壁に変身するのです。
このトリックはまず撮影場所を探すところからスタート。作例のような落下するイメージなら、廊下や細い通路などの奥行き感を強調できる場所がベストです。
場所が決まったら、落ちているつもりで派手なアクションを! 足の方向に重力がかかっているように見せたり、「助けてー」と叫んだりなど、どれだけ劇的に見えるかがポイントです。
撮影後にカメラの液晶モニターで表示し、楽しく面白く見える角度に回転させましょう。
緊迫感あるこの写真は、実際には床に寝ているだけ。これなら子どもでも安心してチャレンジできますよね。「落ちそう!」という演技力が大切です。
いろいろな場所を撮ってみてカメラの液晶モニターで表示しながら回転させましょう。床を壁や天井に見立てることで、日常ではありえない構図が見えてくると思います。
人が浮かんでいる? と一瞬思わせるこちらの写真。
もちろん、本当に浮かんでいるのではなく、普通にジャンプした瞬間を撮影しただけのトリックフォトです。
シャッタースピードの設定機能を使って、こんな不思議写真を狙ってみましょう。
空中に浮かんでいる女の子をとらえた不思議な一枚。このトリックは単純にジャンプした瞬間を撮影しただけの簡単なもので、ポイントはカメラ側の設定にあります。
まずシャッタースピードを1/200〜1/250秒程度に設定します。コンパクトデジタルカメラならスポーツモードなどシャッタースピードが速くなる設定で撮りましょう。連写モードで撮って良いポーズの写真を選ぶ方法もあります。
撮影時には、カメラの位置を下げることで高く飛んでいるイメージになります。地面が写らない構図にすれば、より高いところを飛んでいる雰囲気がでますね。ジャンプの瞬間を捉えるのはなかなか難しいので、遊びながら何度もチャレンジしてください。
坂の頂上でジャンプし、坂の下から撮るとより浮遊感がアップ。平地で撮るのと比べて、背景の木や建物の見えかたが変わり、より高いところを飛んでいるような印象になります。
暗いところではシャッタースピードが遅くなってしまい、撮影が難しくなります。速いシャッタースピードで撮影可能な明るい場所を選んでください。
My Sony Club会員の皆様から「こんなトリックフォトが見たい!」という投稿テーマを募集しました。たくさんのリクエストありがとうございました!
今回採用させていただいた投稿テーマはこの2つ!
My Sony Club会員の皆様からお送りいただいたトリックフォトはMy Sony Club会員のアイデア満載撮(ト)リックフォト!で公開しています。ぜひ楽しんでくださいね!
女の子たちの分身!? オバケ?
この不思議な写真も、もちろんCGではありません。ある小道具とカメラを組み合わせれば誰でも撮影できるトリックフォトなんですよ。
正解の撮りかたはMy Sony Club会員のアイデア満載撮(ト)リックフォト!で公開しています。皆様も、ぜひ試してみてください!
今回ご紹介したトリックフォトはいかがでしたか? こういった写真は頭で考えてもなかなかうまく決まらないものです。実際にその場所にでかけて、考えながらいろいろ試してみることをおすすめします。撮った写真を見ながら自分のイメージに近づくように「トライ&エラー」でいろいろ試してみてください。家族や友達と「今度はこうしてみようよ!」と、どんどん発想を膨らませて撮影に挑むのも楽しいですよ。
僕だったら、巨人と小さな人それぞれに衣装を着せて童話のワンシーンのように撮ってみたいですね。小道具までこだわって撮るともっと世界が広がりそう。徹底的にファンタジー風にこだわったり、ストーリー仕立てにしてみたりと、過剰な演出をしてみるのも面白そうです。
僕自身、普段は「こう撮ろう!」と狙って撮るわけではないのですが、今回ご紹介したトリックフォトのようにうまくハマると面白いですね。真正面から見るだけじゃなく、上から下から角度を変えて撮ってみると、新しい発見があるかもしれません。大げさに言うと「常識を疑って」遊んでみてください。
また、トリックフォトの良さは、手軽さとおもしろさにあると思います。友達と遊んだついでや旅行先の思い出づくりに、気軽にチャレンジしてください。SNSに公開した旅行写真にさりげなくトリックフォトが入っていたら、きっと友人たちもビックリしてくれますよ!
1981年生まれ。多摩美術大学卒業後、経験を積んでフリーランスとして独立。独創的なファッション写真やアート写真、著名人のポートレートなどを多数手がける。マイクロパトロンプラットフォーム[ CAMPFIRE ]にて資金を募り、民族ボディアートパフォーマー、コフネコトモコとブータンにて撮影するなどアクティブに活動中。
⇒公式サイト http://katsuwo.jp/