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紙のポスターがない映画館〜 新しい映画館のカタチ 〜  100年以上の歴史がある映画は、家族だんらんのきっかけや休日のお出かけなど、世代を超えて楽しめるエンターテインメントのひとつです。そんな映画がデジタル技術によって新しいステージ、“デジタルシネマ”へと進化しつつあります。デジタルシネマは、映画や映画館をどのように変えるのでしょう。今回は、デジタルシネマ上映システムを採用した「109シネマズ湘南」を通じて、映画館の今をお伝えします。

100年を超える歴史の中でも大きな変革期を迎えている映画と映画館

映画に大きな変革をもたらすデジタルシネマが登場

笑いや興奮、涙といろいろな感動を提供する映画は今、大きく変わりつつあります。その中心となっているのがデジタルシネマです。デジタルシネマとは撮影、編集、配給、上映の各行程でフィルムではなくデジタルデータを使用する映画のことです。デジタルシネマは、登場から100年以上フィルムを使い続けてきた映画業界に大きな変革をもたらしています。実写とコンピューターグラフィックスの継ぎ目を感じさせない高精度な合成や、自然な雰囲気を保ったままの3D映像の撮影と編集は、デジタルだからこそ可能になった技術と言えます。

そして映画制作がデジタルシネマへと進化するのに合わせて、映画館でも変化が始まっています。映画館の変化はデジタルシネマ対応プロジェクターの導入など、舞台裏である映写室が中心となっているため、観客である私たちは普段は接する機会がありません。しかし、変化の一端はスクリーンに映し出されている映像で確認できます。たとえば、傷や埃による画質劣化のない映像や、最新の3D作品の上映はデジタルシネマならではの特長です。さらに、デジタルシネマへの対応をきっかけに、ロビーといったスクリーン以外の場所でも映像の驚きや楽しさを体験できる新しいスタイルの映画館が登場しはじめています。デジタルシネマに対応した新世代の映画館は、鮮明な映像で作品を鑑賞できることはもちろん、映画館に入ったその時から映画と映像が生み出すワクワクと感動を味わうことができるのです。

デジタルシネマで映画館はどう変わる?

デジタルシネマ対応の映画館とはどのようなものなのでしょうか。昨今の映画館事情を探るため、神奈川県藤沢市にあるショッピングモール、テラスモール湘南の「109シネマズ湘南」を訪問しました。

「109シネマズ湘南」は、2011年11月11日にオープンした10スクリーンを備えるシネマコンプレックスです。デジタル放送でおなじみのフルHD映像の4倍以上の超高精細な映像を実現したソニー製4Kデジタルシネマ上映システムを採用しており、2Dだけでなく3D作品の上映も可能です。映画を上映するプロジェクターは、専用ネットワークを使って集中管理されており、定刻上映をはじめとした正確な運営がおこなえます。また、館内のエントランスロビーには大型液晶パネルを用いたデジタルサイネージシステムを設置。映画のポスターや近郊の観光スポット情報を表示するなど、映画を上映するだけでなく、映画館全体をエンターテインメントの場所とする新しい取り組みもおこなっています。

「109シネマズ湘南」 神奈川県藤沢市辻堂神台1-3-1 
テラスモール湘南 4階 10スクリーン、合計2,045シートを備える「109シネマズ湘南」は、すべてのスクリーンに車椅子席とエグゼクティブシートを設置されています。ウェブサイトからは上映3日前から指定席券をオンライン購入することができ、混み合う“封切り”の週末もゆったりと映画を楽しめます。 詳しくはこちら ※109シネマズのサイトが表示されます

デジタルシネマ時代の映画館をサポートするソニーの技術

AR技術を搭載したデジタルサイネージシステムでは画面への情報表示だけでなく、FeliCa技術を組み合わせて、たとえば表示中の映像に連動したお得な情報やクーポンをFeliCaを通じて提供することもできる。

多彩な映像に囲まれたエントランスロビー

エントランスロビーは映画館の入り口であると同時に、映画への入り口でもあり、作品の世界へと入り込むワクワクする気分や期待を高めてくれます。「109シネマズ湘南」は、上映スケジュールなどを表示する大型LEDディスプレイのほかに、大画面ディスプレイとPlayStation®3によるAR(拡張現実感)処理を組み合わせたデジタルサイネージ(電子看板)システムを導入。

見慣れた紙のポスターがないエントランスロビーでは、時間とともにいろいろな作品のポスタービジュアルが現われては消え、まるで別空間に入り込んだかのような気分を味わえます。また、ロビー内にはカメラを内蔵したディスプレイを設置。このカメラで人物を撮影し、あらかじめ用意された映像とリアルタイムに合成。すると、映像の中に自分の姿が映し出され、そこに近郊の新江ノ島水族館で飼育されている魚たちの映像が次々と近づいてきます。このような演出は、周囲の状況に応じてさまざまに変化します。多彩な映像に囲まれたエントランスロビーは、開場を待つ時間を楽しくするばかりか、映画への期待を高める映像体験を提供してくれます。

作り手の意図した映像を正確にスクリーンに映し出す4Kプロジェクター

映画ファンにとってはなじみのある“封切り”という言葉。“封切り”とは映画フィルムを包む封を切ることで、転じて映画の公開初日を指すようになりました。アナログメディアであるフィルムは、大切に扱っても上映回数を重ねることで傷がつき、映像に表示されてしまいます。一方、フィルムを使わないデジタルシネマには、“封切り”という考えかたがそもそもありません。傷つきやすいフィルムではなく、劣化の発生しないデータで映像を表示するデジタルシネマは、何回上映しても常に“封切り”時と同じマスター画質で上映できるメリットがあります。また、映画制作そのものもすでにデジタル方式での撮影と編集が主流となっており、データをフィルムなどに変換する必要のないデジタルシネマは、制作者の意図にもっとも近い画質を再現することができます。

「109シネマズ湘南」に設置されているソニーの4Kデジタルシネマプロジェクター「SRX-R320」は、ディスプレイデバイスにソニーが開発した解像度4,096×2,160ピクセルの「4K SXRD」を採用。「4K SXRD」は先進的な微細加工技術を用いることで、画素と画素の間隔を約0.35マイクロメートルと髪の毛の太さ(約50マイクロメートル)の1/100以下に抑えることに成功。数百インチの巨大画面に投影しても画素間の格子が目立たず、4Kの超高解像度とあわせて滑らかかつ超高精細な映像表現が可能です。緻密(ちみつ)で鮮鋭感のある4K映像からは、作品内にただよう空気をも感じることができるかもしれません。

また、 「SRX-R320」は2D映像の投影だけでなく、3Dデジタルシネマシステムを組み合わせることで、3D映像の投影も可能です(*)。 「109シネマズ湘南」の9基の4K対応プロジェクターのうち3基は3D上映も可能で、作品にあわせて2Dと3Dを切り替えることができます。

* 3D映像投影時は左目用と右目用の映像を同時に投影する方式により、映像は2,048×1,080ピク セルとなります

デジタルシネマプロジェクター SRX-R320 (メディアブロック(デジタルシネマサーバー)「LMT-300」を内蔵) 4K(4,096×2,160ピクセル)は、フルHD(1,920×1,080ピクセル)の4倍以上の情報量をもっている。

作り手の意図した映像を正確にスクリーンに映し出す4Kプロジェクター

フルHD映像の4倍以上の解像度となる4K映像は、映画館だけでなくリビングでの映像体験も印象深いものへと変えます。ソニーは世界初(*)の家庭用「4K“SXRD”」ホームシアタープロジェクター「VPL-VW1000ES」を発売しました。「VPL-VW1000ES」は映画館向けのプロジェクターで培ってきた4K映像技術を駆使し、ご家庭にも臨場感のある4K映像を提供することを目標に開発された製品です。新たに開発した「4K映像表示デバイス向けデータベース型超解像LSI」は、デジタル放送やブルーレイディスクなどのフルHD映像を4Kの高精細映像に変換し、映画館の画質に迫る緻密な映像をスクリーンに投影します。

* 民生用4Kビデオプロジェクターとして。ソニー調べ

4Kホームシアタープロジェクター VPL-VW1000ES

詳しくはこちら購入はこちら

シアターの座席側後方にある映写室。従来はフィルム映写機、プラッター(フィルムを送る回転台)、やフィルム保管庫が置かれていたが、現在はデジタルシネマプロジェクターが並んでいるのみ。

シアターの舞台裏にもデジタル化の波が到来 上映プログラムを管理するシアターマネージメントシステム

デジタルシネマの登場で映画館の舞台裏も大きく変わりつつあります。そのひとつとして、ソニーが開発したシアターマネージメントシステムは、映画館の上映運用における効率化を実現しています。さまざまな予告編や本編作品のデータが保管されているセントラルサーバーから、ローカルネットワークを使って各スクリーンへコンテンツを転送。従来は予告編のフィルムと本編のフィルムをつなぎ合わせて編集していたプレイリストがシアターマネージメントシステム上で簡単に作成できるうえ、上映スケジュールを登録することで決まった時間に指定した作品を自動上映することが可能です。フィルム交換の必要がなく、スタッフの負担も少ないシアターマネージメントシステムにより、日替わりで異なる作品を上映したり、ひとつのスクリーンで字幕版と吹き替え版を交互に上映したりといったことも容易におこなえます。

映画制作現場で活躍するソニーのCineAltaカメラ

映画を撮影するカメラは、デジタルシネマを構成するキーコンポーネントのひとつです。2007年、ソニーはデジタルシネマカメラCineAlta(シネアルタ)のラインアップに「F35」を加えました。「F35」は映画用のスーパー35ミリフィルムとほぼ同じ大きさとなる23.62×13.28mmのCMOSセンサーを搭載し、フィルムカメラと同等の表現力を実現しました。

そして2011年には、4Kの2倍となる8K、総画素数約2,000万画素のCMOSセンサーを備えたCineAltaカメラ「F65」を発表。「F35」以上に精細感のある4K映像が撮影可能になるとともに、最大毎秒120コマでの高速撮影機能を備えるなど表現力がさらに向上しています。

F65に搭載されている
8K CMOSセンサー CineAltaカメラ F65

109 CINEMAS 映画館をもっと楽しく! 数々のアイデアを盛り込んだ「109シネマズ湘南」への熱い想い

株式会社東急レクリエーション 映像事業部 劇場運営部 運営課 吉川聡さん 株式会社東急レクリエーション 映像事業部 劇場運営部 セールス・プロモーション課 吉井恵一さん

吉川:3年前、米国ラスベガスの映画産業のトレードショーに参加したときに、現地の劇場を実際に目のあたりにして、まさに圧倒されました。ムービングポスター(ポスターの中の車が突然動くなど)、何百メートルもの天井に投影される映像ショーなど、視覚に訴える技がこれでもかというほど使われており、楽しくて、かつ見た人の印象に残る手法が満載で、なんとか同じようなことが日本でもできないかと思ったわけです。そしてその想いが、今回の「109シネマズ湘南」のプロジェクトに結びつきました。

吉井:我々は、映画館という場を、非日常を味わってもらう所と位置づけています。そういう環境演出をどうするかが以前からの課題でした。たとえば、デジタルサイネージは動く映像が展開できるという点で、普通の静止画のポスターボードよりも見ていて楽しく、印象的です。エントランスロビーに入った瞬間からデジタルサイネージを見ていただくことで、わくわくしながら入場していただけるのではないかと思います。また、映画を楽しんでいただいた後も、サイネージを見て「次はどの作品を見ようか」と考えていただける。デジタルシアターの画質も含め、映画館という場がより楽しく、また行きたいと思っていただけるような展開を、今後もおこなっていきたいですね。

映画館だから味わえる、デジタルシネマならではの映画の楽しみかたが生まれつつあります

高精細な4K映像や、制作者の意図を反映した映像など、デジタルシネマによって映画や映像表現は新しい一歩を踏み出しています。そして映画館も、映画を鑑賞するだけの場所ではなく、映画館に行くこと自体が楽しいというエンターテインメントの場、非日常の空間に変わってきています。ソニーの推進するデジタルシネマは撮影現場から映画館にいたる映画のさまざまなシーンで、新しい表現と可能性、エンターテインメントを生み出すきっかけのひとつとなっています。デジタルシネマで変わりつつある映画と新しい映画館の楽しさを、ぜひ一度体験してみてください。

感動の映画体験をソニーのデジタルシネマで 詳しくはこちら

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※ 本ページに掲載している情報は2012年2月1日現在の情報であり、予告なく変更される場合がございます