本文へ

製品情報>My Sony Club>知る・楽しむ>テクノロジー&プロダクツ>デジタル一眼カメラ上級者向け特別講座 連載 第2回

デジタル一眼カメラ上級者向け特別講座 連載 第2回 RAWデータ現像ソフトを使ってより印象的な作品に仕上げてみましょう
今回はデジタル一眼カメラ“α”に付属するRAWデータ現像ソフト「Image Data Converter SR」を使って、実際にRAW現像をおこなってみます。「Image Data Converter SR」は、明るさやホワイトバランス調整だけでなく、“Dレンジオプティマイザー”(※)のような“α”独自機能の設定も撮影後に変更することができます。RAWデータと「Image Data Converter SR」を使って、より印象的な作品に仕上げてみましょう。 ※ “D-レンジオプティマイザー”は、「Image Data Converter SR Ver.2.0」に追加された機能です

※ 本文中でご紹介している付属ソフトウェアは、2011年3月2日の情報です
    付属ソフトウェアの最新情報は、「ソニー製カメラ ソフトウェア サポート・お問い合わせ」でご確認ください

デジタル一眼カメラ上級者向け特別講座 バックナンバー

第1回 「RAW現像」で写真をより印象深い「作品」に仕上げてみませんか?

白とびや黒つぶれした写真は「Dレンジオプティマイザー」で補正しましょう

たとえば、強い光が背景に入るような逆光での撮影時。オート撮影モードではカメラが自動的に“逆光補正”をおこなってくれますが、急なシャッターチャンスで設定変更をしそびれた時は、被写体の明るさが意図したものとは少し異なることがあります。

右は屋内でのワンショットです。子どもの自然な表情を優先し、フラッシュをオフで撮影しましたが、窓を背にした逆光であったため、子どもの顔が少し暗く写っています。では、RAWデータとRAWデータ現像ソフト「Image Data Converter SR」を使って写真の明るさを調整し、子どもの表情がもっと見えるように仕上げてみましょう。

「Image Data Converter SR」について詳しくはこちら

自然に見えるように顔の部分をもう少し明るく仕上げたい・・・・・・

“明るさ”を+0.67EVに補正し、“Dレンジオプティマイザー”の適用量を“マニュアル”で
60に設定(ハイライトトーン、シャドウディティールはともに初期値の50)。

(1)まず写真全体の“明るさ”を調整

写真の明るさは「Image Data Converter SR」の“明るさ”項目で変更します。“明るさ”項目では±2段分の露出補正が可能で、写真全体の明るさをよりイメージに近いものへと調整できます。スライダーを右方向に動かすことで写真全体が明るく、左方向に動かせば暗く変化します。「Image Data Converter SR」の明るさ調整は、RAWデータの持つ豊富な階調情報を活かし、影やハイライトの自然な表現を保ったまま明るさを変えられます。また、影が黒く塗りつぶされる「黒つぶれ」や、ハイライトが白くなる「白とび」が発生してた写真も、この明るさ調整で回復する場合もあります。

明るさ調整では写真全体の明るさを変更するので、子どもの表情がよく見えるまで明るくすると背景が明るくなりすぎ、写真全体が白っぽい不自然な仕上がりになってしまいます。そこで、階調を損なわずに暗い部分の明るさを補正できる“α”ならではの機能、“Dレンジオプティマイザー”を活用してみましょう。

(2)続いて“Dレンジオプティマイザー”で微調整

“Dレンジオプティマイザー”は写真を複数のエリアに分割し、暗くなりすぎた部分を検出してその部分を中心に明るさなどを補正する機能です。「Image Data Converter SR」では“オート”、“オフ”のほかに、補正の強弱を設定できる“マニュアル”の3種類から選べます。“マニュアル”を選ぶと、“Dレンジオプティマイザー”効果の適用量と、ハイライト/シャドウ部分の効果の強さを個別に設定できます。“ハイライトトーン”は数値を小さく設定することで白とびを防止でき、“シャドウディティール”は数値を大きくすることで暗い部分のディティールを強調できます。明るさ調整に加えて“Dレンジオプティマイザー”の効果を調整することによって、背景が明るくなりすぎない程度に抑えつつ、子どもの表情をより際立たせることができました。

“明るさ”を調整 “明るさ”を+0.67EVに調整することで写真全体の明るさがアップした。 “Dレンジオプティマイザー”で調整 “Dレンジオプティマイザー”によって背景の明るさの変化は最小限にとどめつつ、子どもの顔を強調することができた。

狙いどおりに撮れた写真をもっと印象的に仕上げてみましょう

バッチリと狙いどおりに撮れた写真も、RAW現像を活用することで新しい表情を見せてくれます。撮影後にじっくりとホワイトバランス設定を変更したり、コントラスト補正をおこなったりすることで、写真をより印象深い作品へと仕上げられます。イメージセンサーが捉えた光景をそのまま記録しているRAWデータは、撮影時には挑戦しにくい、思い切った設定を試すことも簡単にできます。RAW現像で新しい設定を適用すれば、以前RAWデータで撮った写真に新しい印象を与えることも可能です。

右の写真は晴れた冬の正午近くに撮影したお城です。淡い色の空と薄い雲を背景にして、白漆喰(しろしっくい)の壁が浮かび上がるようにくっきりと表現されています。このままでも「狙いどおりの一枚」ですが、「抜けるような青空を背景に、力強くそびえ立つ白いお城」をテーマに、空の青さをさらに強調して、お城の堅固さや存在感がもっと際立つ写真に調整してみましょう。

お城と青空のコントラストを際立たせるため空の青さをもっと強調した仕上げにしたい・・・・・・

雲と空の表現力を高めるため“高輝度色再現”を“アドバンス”へと変更。“ホワイトバランス”項目の“色温度調整”で5300Kを選択して、写真全体の色味を寒色系のシャープな雰囲気に。コントラストは+40と強めに補正してメリハリを強調した。“Dレンジオプティマイザー”はオートで適用。

まず、空の抜けるような青さを追求するために「Image Data Converter SR」の“高輝度色再現”を“標準”から“アドバンス”へと変更します。“アドバンス”に設定するとハイライト(高輝度)部分を自然な階調で表現できるので、空の色の変化や雲の微細な色合いがきれいなグラデーションで再現されました。また、撮影時のホワイトバランス設定では空の青さが撮影時に感じた発色よりやや薄く感じたため、“ホワイトバランス”項目の“色温度調整”で写真の色温度を微調整してみます。色温度は、高めに設定すると写真全体が青みがかり、低めに設定すると黄みがかった発色に変化します。

そして、お城の存在感を演出するためにコントラスト補正を強めに適用して写真の主題(お城)と背景のメリハリを強調します。屋根の下に並ぶ垂木(たるき)の1本1本がくっきりと立体的になるほか、漆喰壁の汚れや石垣を構成する石と石の隙間、石の表面の凹凸が強調されたことで、お城の複雑で堅牢な構造と無骨な存在感が強まりました。豊富な階調情報を利用できるRAW現像では黒つぶれや白とびが発生しにくいので、イメージに合わせて思い切ったコントラスト補正を適用できます。

(1)“高輝度色再現”を調整 “高輝度色再現”を“標準”から“アドバンス”に変更。空の青さのグラデーションがより鮮やかに再現された。 (2)“ホワイトバランス”を調整 “ホワイトバランス”の“色温度調整”を5300Kに設定。写真全体の青みが強くなったことで、お城の漆喰壁が少し冷たい色合いに変化。(3)“コントラスト”を調整 “コントラスト”は+40に設定。屋根の下に並ぶ垂木(たるき)とその下の影など、明暗差が強くなったことで立体的な印象になった。

調整が完了したら調整内容を保存し、写真を出力します

RAWデータで満足のいく調整がおこなえたら、調整した内容を保存し、JPEG形式の写真ファイルを出力しましょう。RAWデータは、RAWデータ現像ソフトで調整したファイルを上書き保存しても、イメージセンサーが捉えた情報そのものが失われることはありません。そのため、後日モノクロ印刷向けなどまったく新しい調整を適用することも可能です。

また、「Image Data Converter SR」では、RAWデータを一般的な画像形式であるJPEG形式のほかに、ファイルを圧縮しないTIFF形式で写真を出力できます。TIFFは圧縮による画像の劣化がないことが特長ですが、ファイルサイズが非常に大きくなります。CDやDVDなどで写真を配布したり、メールで人に送ったりする場合はJPEG形式で出力し、わずかな画像の劣化も反映される大判印刷で使用する場合にはTIFF形式で出力するとよいでしょう。

調整が完了したら調整内容を保存し、写真を出力します

さまざまな種類の調整によって、写真の雰囲気を壊さずに適用できるRAW現像。撮影時に意図したイメージにさらに近づけたり、撮影後に新しい表現を試したり。撮影後にじっくりと考え、いろいろな表現や設定を試せるRAW現像
によって、写真をより深く楽しむことができるのではないでしょうか。

※ “SONY”および“make.believe”はソニー株式会社の商標です
※ “α”はソニー株式会社の商標です
※ Adobe、Adobe Photoshop Elements、Photoshop、Lightroomは、Adobe Systems Incorporated (アドビシステムズ社) の米国ならびに他の国における登録商標または商標です
※ 本ページに掲載している情報は2011年3月2日の情報であり、予告なく変更される場合がございます
※ 本文中でご紹介している付属ソフトウェアは、2011年3月2日の情報です
    付属ソフトウェアの最新情報は、「ソニー製カメラ ソフトウェア サポート・お問い合わせ」でご確認ください