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デジタル一眼カメラ上級者向け特別講座 連載 第3回 プロカメラマンのRAW現像テクニック 女性の写真を印象的に仕上げる方法とは? モデル:むらたさき
被写体の魅力を際立たせたり、雰囲気を思いどおりに演出したり。デジタル一眼カメラ“α”に付属するRAWデータ現像ソフト「Image Data Converter SR」で、写真の表現はさまざまに広がります。今回は女性が主題の写真をより印象的に仕上げるコツを、写真家の山本まりこさんに聞きました。女性ならではの着眼点がもたらす、目からウロコのテクニックに注目です。

※ 本文中でご紹介している付属ソフトウェアは、2011年4月20日の情報です
    付属ソフトウェアの最新情報は、「ソニー製カメラ ソフトウェア サポート・お問い合わせ」でご確認ください

デジタル一眼カメラ上級者向け特別講座 バックナンバー


第1回 「RAW現像」で写真をより印象深い「作品」に仕上げてみませんか?

第2回 RAWデータ現像ソフトを使ってより印象的な作品に仕上げてみましょう

写真を現像するときは「もし自分がこの写真の中にいたとするなら、こういう写真がいい!」と想像しています

写真は、目で見た一瞬を切り取るように残すだけでなく、心情や雰囲気といった目で見た以外のものを表現することもできます。見ているだけでウキウキしたり、写真から心地よさやさわやかさ、風を感じたり。そんな写真に出会ったことはないでしょうか?
女子の多くはそういう雰囲気を重視した写真、とくにわたしはさわやかな風を感じる“Airy(エアリー)”な雰囲気の写真が大好きです。たとえば、背景がほわっと幻想的にぼけた写真。「もし自分がこの写真の中にいたら」なんて考えると、思わず笑顔になります。

デジタル一眼カメラ“α”「NEX-3」は撮影時に感じた心情や雰囲気を写真にダイレクトに反映できるお気に入りのカメラで、JPEG形式で撮ることが多いですね。じゃあRAW形式は?というと、もちろんRAW形式で撮ることも多いです(笑)。RAW形式はプライベートのほか、お仕事で使うことも多いんですが、撮影中に思いついたいろいろな表現を、撮影後に写真に反映することができるのがうれしいですよね。写真とじっくりと向き合えるのが、RAW形式での撮影のいいところではないでしょうか。今回は、RAWデータ現像で女性のポートレート写真をもっと印象的に見せる補正方法や、心情や雰囲気を写真に写し込むテクニックをご紹介していきます。

写真家 山本 まりこさん 理工学部建築学科卒。設計の職を経て、2000年フリーランスフォトグラファーへ。建築インテリア写真、人物写真などが得意。雑誌や書籍、広告で幅広く活躍中。

見ていて心地よい、思わず笑顔になる写真の作りかた

女性の写真は、なんと言っても顔が命!です。見る人の視線を素敵な笑顔へと集中させれば、笑顔がもっている楽しい雰囲気を写真全体に広げられます。それでは楽しさと同時に、さわやかさやふんわりした幻想的な雰囲気を高めるために、「Image Data Converter SR」の“周辺光量”(※1)という調整項目を使ってみましょう。

“周辺光量”は写真の中央部分はそのままに、周辺部分のみを明るくする調整機能です。100段階で調整できるのですが、今回は72とかなり強く適用したため、被写体が白く光っているように見える「白とび」が背景に広く発生しました。白とびで背景の情報が減ったぶん、自然と笑顔に視線が集中しやすくなりました。また、背景がほわっと淡く光るように見えることで、写真全体が幻想的でさわやかな雰囲気になったかと思います。“周辺光量”を使った表現は、やさしい雰囲気で主題を引き立てることができます。今回は笑顔が写真の中央部分にあったので、ぴったり狙いどおりに効果を適用できました。“周辺光量”は主題が写真の中央付近にないとちょっと使いづらいのですが、女性や子どもの写真と相性がよいテクニックです。

写真の雰囲気は、色でも演出することができます。“ホワイトバランス”の項目で写真の色を変えてみます。この写真ではさわやかな朝のイメージを演出したかったので、色温度を低めに設定し、写真全体を青みがかったクールな印象にしました。写真はお昼過ぎに撮影したのですが、どうでしょうか?午後のほっこりとした日差しにしたい場合は、色温度を高めに設定します。発色を変える演出は、背景を利用することでも可能です。この写真は色補正で発色を緑寄りに補正することで、背景にある木の葉の緑を強調して写真全体のみずみずしさと清涼感を高めています。逆に色補正を赤寄りにすると、人物の肌の色を健康的な雰囲気のピンク色にすることができます。

※1 周辺光量補正は、「Image Data Converter SR Ver.3.0」に追加された機能です

女性ポートレートを「Airy(エアリー)」に仕上げる ふわっとぼけた背景と、モデルさんの素敵な笑顔があいまった一枚です。笑顔を中心にふんわりとした背景を活かすことで、写真からさわやかさと心地よい雰囲気を引き出しました。

山本まりこさんのここがポイント “周辺光量”で“中心部強度”、“周辺部強度”を変更すると、写真の周辺部の明るさを変更することができます。この写真では、“中心部強度”を変更し、背景を白飛びに近いくらいに明るくすることで、やわらかく、幻想的な雰囲気を出してみました。

くっきり、はっきりとした味付けで、思わず引き込まれる写真に

今度は先ほどの雰囲気を追求する表現とは違った、視覚的な美しさと魅力を引き出す表現方法をご紹介します。わたし自身は、「Airy(エアリー)」な写真が大好きなので、こういった調整をすることは少ないのですが、桜色に染まった笑顔やまつ毛のクルッとした感じまでを表現して、思わず触れたくなるような華やかな写真に仕上げてみます。

肌の美しさや服装といった女性の華やかさを写真に反映するには、“色調”の“彩度”を高めて発色をより鮮やかにします。主題である女性の顔や服飾品だけでなく背景も鮮明にすることで、見る人の目を引きつける華やかな力強さが写真にあらわれてきます。また、まつ毛や髪の毛の一本一本をくっきりと見せ、迫ってくるような立体感を演出するには、“シャープネス”と“コントラスト”の項目を強めに設定して、明暗をはっきりさせます。写真全体がくっきりとして、撮影時に見たままかそれ以上に細部が鮮明になりました。くっきり、はっきりとした表現なので、女子向きというよりも、むしろ男性の目を引くような方向性の写真かもしれませんね。

“彩度”、“シャープネス”、“コントラスト”と3種類の補正を適用すると、写真にはかなりの立体感と鮮明さがあらわれてくると思います。ただ立体感が強まったぶん、顔の影が濃くなってしまい、表情に険しさが生まれています。ここで“Dレンジオプティマイザー”(※2)を使えば、顔にかかった影をやわらげることができます。この場合の“Dレンジオプティマイザー”は、マニュアルで弱めに適用するのがポイントです。強く適用すると先に適用したコントラストの効果が薄れて、ふんわりした女子好みの写真になってしまうので要注意です(笑)。肌の色を好ましい発色にするには、“ホワイトバランス”で色温度を高めに調整しましょう。また、色補正を赤よりに設定するのも効果的です。

※2 “D-レンジオプティマイザー”は、「Image Data Converter SR Ver.2.0」に追加された機能です

健康的な肌の色など女性の美しさを細部まで引き出す 肌の美しさや服装といった女性の華やかさを強調してみました。コントラストと彩度をかなり強めに調整したことで、立体感があって元気がある写真に仕上がっていると思います。

山本まりこさんのここがポイント “Dレンジオプティマイザー”(暗いところだけを抜き出して明るくしたり、明るいところだけを抜き出して暗くしたり、明暗どちらもくっきりはっきり見えるようにすることができる機能)を使って、口元や鼻のあたりにある影を薄くしています。顔にかかった影を調整したら、表情にもやわらかさが出てきたと思いませんか?

くっきり、はっきりとした味付けで、思わず引き込まれる写真に

RAWデータの現像は、設定できる項目が多いので最初はとっつきにくいですよね。「どの設定を使えばいいのかわからない」、「どういう写真にすればいいのかわからない」といったお悩みの声を聞くことがあります。ほかの人からいろいろなアドバイスを聞くと、さらに迷ってしまうなんて方もいらっしゃるのではないでしょうか。写真やRAW現像の楽しさは、自分の好きなものを、何にもとらわれずに自由に表現できることです。ですから、一番大切なことは、その写真を自分が気に入るかどうか?なんです。「自分はこういう感じの写真が好き!」と言える写真が、ご自身にとって一番良い写真だと思うんですね。今回ご紹介したテクニックや設定の中に気に入ったものがあれば一度試してみてください。そこから写真を自分の好きなように調整していくことで、自分の思いを乗せた素敵な一枚ができあがると思います。

“明るさ”を調整 “明るさ”を+0.67EVに調整することで写真全体の明るさがアップした。 “Dレンジオプティマイザー”で調整 “Dレンジオプティマイザー”によって背景の明るさの変化は最小限にとどめつつ、子どもの顔を強調することができた。

思わず引き寄せられる美しい写真や心地よさを感じる写真など、写真で表現したいことを手助けするのがRAW現像データソフトです。RAW現像での補正には、写真の雰囲気や表情をさまざまに変化させる奥深さがあります。次回は写真家の藤城一朗さんに、夜景写真の現像テクニックをお聞きします。

※ “SONY”および“make.believe”はソニー株式会社の商標です
※ “α”はソニー株式会社の商標です
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